2011年に惜しくも急逝されました、俳優の坂上二郎さん、原田芳雄さん、そして森田芳光監督。
今回はこの御三方が映画界に残した功績を偲びまして、故人にちなんだ7本の作品を上映します。
本特集では、萩本欽一さんと結成したコント55号で一世を風靡した坂上二郎さんの出演作3本を上映。
コント55号の作品を多く手がけた名匠・野村芳太郎監督の職人的演出が光るこれらの作品群は、坂上さんの魅力が全開となっています。
ほかにも、原田芳雄さんが覗き魔役を怪演する『PARTY7』や、息子思いの父親を演じた『たみおのしあわせ』など、原田芳雄さんの出演作2本を上映。
これらの作品を観れば、原田さんがアウトロー俳優としてだけではなく、幅広い役柄を演じていたことが分かるはずです。
そして独特のユーモアセンスを持った才気あふれる映画監督として、絶大なる支持を集めた森田芳光監督。
今回は遺作となった最新作『僕達急行 -A列車で行こう-』のベースとなった『間宮兄弟』、そしてそれらの作品の原点とも言えるデビュー作『の・ようなもの』と、そのユニークな作家性を俯瞰できるようなラインナップとなっています。
御三方の色あせることのない魅力をぜひともスクリーンでお楽しみください。
監督 | 野村芳太郎 |
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公開年 | 1968年 |
出演者 | 坂上二郎 萩本欽一 水前寺清子 ほか |
コント55号と、チータという愛称で絶大なる人気を誇っていた水前寺清子とが共演したコメディ。
やくざの金一郎とラーメン屋の次郎太は、幼馴染の喧嘩友だち。金一郎はやくざの親分、大熊のきっぷの良さにほれ込み、強引に大熊の弟子となるが、実はこの大熊はとんでもない食わせ者だった…。
監督 | 野村芳太郎 |
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公開年 | 1970年 |
出演者 | 坂上二郎 萩本欽一 長山藍子 ほか |
コント55号主演、『砂の器』の名匠・野村芳太郎監督、脚本にジェームズ三木が参加したサスペンスコメディ。
左遷寸前のベテラン刑事(坂上二郎)と新米刑事(萩本欽一)が繰り広げる爆笑捕物劇の様子を描きだす。ひとりの女性に恋をした平次郎と金助はコンビを組まされ、刺殺未遂事件の犯人を追うべく抱腹絶倒の捕物を始める。
監督 | 野村芳太郎 |
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公開年 | 1971年 |
出演者 | 坂上二郎 萩本欽一 由美かおる ほか |
名匠・野村芳太郎監督とコント55号の定番コンビ作。
次郎と金作は湘南市役所「なんでもやる課」に勤める兄弟。
突然、金作に県会議員の娘との結婚話がもちあがったが、当の金作は病気の母の手術代に困っている秀子に心を奪われており、なかなかその気にはなれない。そんな二人は秀子の母親の手術代を工面するため、とある策略を練るが…。
監督 | 石井克人 |
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公開年 | 2000年 |
出演者 | 永瀬正敏 浅野忠信 原田芳雄 ほか |
ホテルの一室に集まった7人が繰り広げる騒動を描いたコメディ。
海外でも評価の高い永瀬正敏、浅野忠信の競演。謎の男キャプテンバナナ役の原田芳雄の怪演。実写とアニメーションを融合させたタイトルバック。
『鮫肌男と桃尻女』の奇才・石井克人監督ならではの新感覚のスタイリッシュコメディ映画だ。
監督 | 岩松了 |
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公開年 | 2007年 |
出演者 | オダギリジョー 麻生久美子 原田芳雄 ほか |
ドラマ「時効警察」の岩松了が、オダギリジョーと麻生久美子と共に織りなすユーモラスなウェディング狂想曲。大人になりきれない父と、冷めている息子の民男。そんな二人が一癖も二癖もある隣人たちに翻弄されながらも、マドンナ・瞳との結婚の成就に向けて大奮闘するリアルで切実なるストーリー。
監督 | 森田芳光 |
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公開年 | 1981年 |
出演者 | 秋吉久美子 伊藤克信 尾藤イサオ ほか |
森田芳光監督の才気あふれる演出が光る劇場用映画デビュー作。
独特のユーモアセンスや映像感覚が高く評価された。
舞台は東京の下町、古典落語の修業に励む若手落語家(二ツ目)の志の魚(しんとと)は風俗嬢のエリザベスとデートを重ねるが、落研の女子高生・由美のことも好きになってしまう。
監督 | 森田芳光 |
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公開年 | 2006年 |
出演者 | 佐々木蔵之介 塚地武雅 沢尻エリカ ほか |
江國香織の同名小説を森田芳光監督が映画化したユーモラスなドラマ。
間宮兄弟は30代の仲の良い兄弟で、今も一緒に住んでおり、何をするのも一緒。
兄弟は様々な日常の歓びを重ね、楽しく生きている。
しかしそんな兄弟に欠けているのは恋人。
そこで二人はカレーパーティを企画し、ふたりの美女を間宮兄弟宅に招待するのだが…。